現在の郡山の発展に安積疎水の開削は外せません。その成功には、明治初期に全国9藩から郡山へ移住してきた旧士族たちの入植がありました。「安積開拓」がとりもつ縁で始まった交流は、姉妹都市締結を機にさらに深まっています。
歴史的な背景をもとに親交を深めてきた郡山市の姉妹都市をご紹介します。
奈良市(奈良県)
今を遡ること約1200年前の葛城王と安積妥女に由来する「うねめ伝説」がとりもつ縁で昭和46年(1971年)8月5日に姉妹都市の盟約を締結しました。
奈良市は、万葉集に詠み歌われたように1300年の昔、平城京として栄え、歴史と伝統に培われた国際文化観光都市です。
明治31年2月1日に市制が施行された奈良市は、近畿圏の中核都市として、また、関西文化学術研究都市の母都市として、重要な役割を果たして います。
特産品は奈良漬、大和茶、いちご、シイタケなどで、伝統工芸・伝統産業としては、奈良漆器、奈良団扇、古楽面、赤膚焼、奈良人形一刀彫など 、独特の風土や長い歴史に培われたものが特に有名です。
市制施行100周年の平成10年度には、東大寺、興福寺、春日大社、春日山原始林、元興寺、薬師寺、唐招提寺、平城京跡からなる市内8つの文化資産群が「古都奈良の文化財」として、ユネスコの世界遺産に登録され、また 、朱雀門と東院庭園の復元や、なら100年会館もオープンし、平成14年4月1日には、「中核市」として「21世紀 に新たな一歩を踏み出しました。
久留米市(福岡県)
郡山市発展の礎は、明治初期の「安積開拓」と「安積疏水開さく事業」にあります。旧久留米藩士が全国9藩の先陣として刀を鍬に持ち替え入植したという歴史的背景から、昭和50年(1975年)8月3日に姉妹都市の盟約を締結しました。
久留米市は、九州一の大河「筑後川」に育まれた筑後平野の中心部にあり、江戸時代には久留米有馬氏の城下町として発展し、明治22年、全国30市とともに日本で最初に市制を施行しました。
また、高速自動車道が交わるクロスポイントに位置し、福岡空港からも約一時間と九州の交流拠点として躍進しており、ゴム産業の盛んな都市としても有名です。 文化的にも、近代洋画壇を代表する青木繁や坂本繁二郎、古賀春江などを生んだ「芸術のまち久留米」としても知られ、洋画の公募展である青木繁記念大賞全国公募展などを開催しています。この大賞展は姉妹都市の本市でも毎年巡回展示されています。
特産品には、有名な久留米絣やクルメツツジ、藍胎漆器などがあり、食べ物では豚骨ラーメンの源となった久留米ラーメンが特に知られています。また、祭りでは日本三大火祭りのひとつの「鬼夜」や「くるめ水の祭典」、西日本一の規模を誇る「筑後川花火大会」が有名です。
「躍進する二十一世紀の久留米」を目指し、「市民が主役のまちづくり」を推進しています。
ブルメン市(オランダ王国)
明治の初め、安積疏水開さく事業に尽力したオランダ人技師コルネリス・ヨハネス・ファン・ドールンの生誕地がブルメン市であることから交流が始まり、昭和63年(1988年)6月25日に姉妹都市の盟約を締結しました。
ブルメン市は、オランダ王国の首都アムステルダムの東方110kmに位置し、ヘルデルランド州の中心部にあります。また、フェーリューウェ国立森林公園地帯とエイセル川流域にあり、オランダで最も美しいまちのひとつです。西部には森林地帯がエールベーグのまちはずれまで延びて おり、散策やサイクリングに最適です。
人口は約22,000人、面積は約85平方キロメートルで、ブルメン地区、エールベーグ地区の大きな町のほか、エンベ地区、ローヴェンハイム地区、ウーケン地区、そしてファン・ドールンの生まれたハル地区から構成されています。産業については、製紙、機械、金属、酪農、布地プリント等が盛んです。
ブルメン市の歴史は、古く794年に遡り、古文書にはこの年初めてブルメンの名が記されています。近隣には、グレートエンゲレンブルグなどの格調高い貴族・豪族の館があり、 その歴史と風情は訪れる人々を魅了します。
鳥取市(鳥取県)
鳥取藩から鳥取開墾社(鳥取藩士族が創立)が中心となって、郡山の地に入植し「安積開拓」に尽力されたという歴史的背景から、平成17年11月25日(2005年)に姉妹都市の盟約を締結しました。